童心失せぬ

多趣味女の好きなもの詰め

母性/感想

女には二種類ある。母と娘です。いつまでも誰かの娘のままでいたい、そういう女性もいるんです。

普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。愛せない母と、愛されたい娘。
同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、ふたりの話は次第に食い違っていく…
母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」—2つの告白で事件は180度逆転し、やがて衝撃の結末へ。
母性に狂わされたのは母か?娘か?

 

母と娘、同じ話を振り返っているはずなのに、双方の意見が食い違うのはあるあるな気がする。わたしも結構ある。やっぱり親の考えと、子どもの受け取り方はだいぶ違うんだろう。

それにしてもルミ子はあんなに真っすぐで無償の愛を母から注がれていたのに、どうして自分は子どもにその気持ちを持てなかったんだろう。ただ無償の愛を注げば良い訳じゃない子育て、難関すぎる。また別の視点(ルミ子の母視点)があるのかどうなのか。礼儀作法がしっかりしていたから、厳しくされたことがあって、自分も大人の視線を気にして生きてきたんだから娘にも、と厳しくなったんだろうか。自分もやってきたんだから、とかだったら、親子というか、なんだか部活動の先輩後輩みたいな関係で嫌だな。

 

義母の嫁いびり、見ているだけでむしゃくしゃしたし胃が痛む。こっちはこっちで、自分は不幸だったんだろうなとすぐに勘付く。自分が嫁いだ先がこんな環境だったら耐えられないだろうけど、この時代は耐えるしかなかったんだろうから世のお嫁さんはよく頑張ったなあ…。今は嫁ぐって文化もないし、女性でも自立して生きていけるし、離婚という選択も難しくないことは有難いこと。

ルミ子は散々姑に嫌われ疎まれだったのに、最後甲斐甲斐しく介護をして、ボケている姑に娘と言われて嬉しそうにりっちゃん(義妹)の部屋に我が物顔で入っていて気味が悪かった。ルミ子が幸せだったならもうそれでいいね……この人は本当に母にはなれないタイプの女性なのだな。でも確かに子どもを授かって突然全員に母性が湧くのかというのは納得。不向きで苦しんでる人もそりゃいるだろう、これだけ人間いるんだもの。だからといって、子どもを蔑ろにしていい訳では絶対絶対ない、そこを許容している訳では断じてない。

 

最後金借り彼氏と駆け落ちしたはずのりっちゃんが、ちゃんと彼氏と幸せになっていて良かった。この映画見てる間で一番テンションあがった。ということはこの映画向いてなかったのかもしれない。自分はどんな母親になるのか、考えて少し怖くなったそんな映画。