童心失せぬ

多趣味女の好きなもの詰め

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった/視聴中

「優しい社会にして、あのカフェの段差ぶっ潰す」

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通称かぞかぞ。NHKで放送しているドラマで、現在4話まで。最初の1~2話は、この世は少数派には生きづらい世の中なんだ…とやるせなくなり、見続けるのしんどいかもと思ったけど、物語も進みちょっと前向きになってきたので最終回まで追いかけることを決めた。

話としては、父は急逝、母は車いす、弟はダウン症。不幸を一身に背負いこんだような家庭の七実が、くよくよせずに前へ前へ進むようなそんな物語。ノンフィクションでエッセイがブログに公開されていて、それがドラマ化したそうな。

 

1話では、ダウン症の弟がいるという理由で彼氏に振られるんだけど、その時に彼に言われた「将来弟の面倒を見れない、責任を取れない」に、「うちの家族の中では弟は面倒を見る対象じゃない、むしろ面倒を見てもらうことだってある」と話していて、なんて素晴らしい回答なんだと涙が出た。でもこの彼氏も高校生ながら、もう結婚することを想定して付き合って、家族になるイメージをして色々考えたんだと思うと、悪い子じゃなくて、むしろとても真面目だと思う。怯む気持ちも分からない訳でもない。「弟くんと友達になりたいとは思う」という言葉が色々考えた後に出るこの子だって素敵に育ったなあと感じるよ。分かっている人と分からない人では考えが違ってしまうのは仕方ないよね。優しい世界になってほしいもんだね、本当に。

 

2話では、母親が突然の病気で車椅子に。今まではダウン症の息子の母として、あちこちにぺこぺこと謝りすぎなくらい頭を下げていたのに、今度は自分が車椅子になって、押してくれる娘が謝りながら進んでいるところを見て、自分が重荷になっていることを感じて死にたいと思ってしまう。

そんな謝らんで…と思わず声に出てしまう。今まで駅や町中で車椅子の方とすれ違ったことあるけど、一度だって邪魔だな、迷惑だななんて思ったことないのにね。でも相手は申し訳ないと思っていることもあるのかな…こういう人が少しでも頭を下げずに生活できる世界になってほしい。

 

という事で、娘の七実は福祉を学びに大学に行くことに。なんて親孝行な娘!!!えらい!!!でも偉いと言われることに当の本人はピンと来てない様子。ただ死にたがってる母親が少しでも生きたいと思えるようにしたい。ただそれだけなんだろうけど、それでもやっぱりすごい。勉強ってこういう目的がある方が格段に吸収するし、アウトプットだって出来るし。わたし自身学びたいこともなく、今だって、自分に向いてない訳じゃないかな なんて感じで生活のために働いているだけなので、目的を持って、ゴールに向かって行動している人を見ると偉人に見える。なかなか出来ることじゃない。

 

ドラマの中で車椅子ユーザーの人が言っていた「自分が障がい者になった後、嬉しいと感じるのは何かをしてもらった時より、誰かの役に立てた時。障がい者になって、自分が感謝される側になるなんて思わなかったから」という言葉、目からうろこだった。こういう話を見ると、じゃあ自分には何が出来るかと考えて行動したいと思いがちだったけど、何かしてあげないと!と考えすぎる事もないんだ と反省した。自分がその立場にならないと分からないことって本当にたくさんあるんだな、恥ずかしい。

 

今、ネットで発達障害を持つであろう男性が線路に立ち入り、その後母親らしき女性が後を追うも制御しきれず…という動画に色々な意見が寄せられていて、流し見程度しかしていないけれど、難しいなと思う。この一連の流れには様々な視点があるはずだから一概に意見なんてできないはず。でも、故意に人に迷惑を掛けようとしていない人たちが少しでも生きやすくなってほしい。そのためにはまず色んな視点を知る事だと思う。