童心失せぬ

多趣味女の好きなもの詰め

本・漫画

世界でいちばん透きとおった物語/ネタバレ感想

読みたいから読む、が小説の幸せな読み方だと思います 世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫 す 31-2) 作者:杉井 光 新潮社 Amazon 衝撃のラストにあなたの見る世界は『透きとおる』。大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。宮内は妻帯者ながら多く…

成瀬は天下を取りにいく/ネタバレ感想

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」 成瀬は天下を取りにいく 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon 2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが………

ぎょらん/ネタバレ感想

亡くした人の残した願いを叶えてあげられた瞬間だけは、再び繋がれる ぎょらん(新潮文庫) 作者:町田そのこ 新潮社 Amazon 人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。それを嚙み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社へ勤める元引きこも…

ザリガニの鳴くところ/ネタバレ感想

カイアは彼のために笑った。以前なら絶対にしなかったことだ。誰かと一緒にいるために、カイアはまたひとつ、自分の一部を手放したのだ。 ザリガニの鳴くところ 作者:ディーリア・オーエンズ 早川書房 Amazon ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見され…

闇に香る嘘/感想

27年間兄だと信じていた男は何者なのか? 闇に香る嘘 (講談社文庫) 作者:下村敦史 講談社 Amazon 孫への腎臓移植を望むも適さないと診断された村上和久は、兄の竜彦を頼る。しかし、移植どころか検査さえ拒絶する竜彦に疑念を抱く。目の前の男は実の兄なのか…

正欲/感想

自分、もういい加減、死ね。気持ち悪いんだよ、なんでこんななんだよ。なんで世間が言うマイノリティにすら当てはまらないんだよ。そんな人間、もう、いいよ。 正欲(新潮文庫) 作者:朝井リョウ 新潮社 Amazon 自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序…

リボルバー/読了

「あのリボルバーは、フィンセント・ファン・ゴッホを撃ち抜いたものです」 リボルバー (幻冬舎単行本) 作者:原田マハ 幻冬舎 Amazon 誰が引き金を引いたのか?「ゴッホの死」。アート史上最大の謎に迫る、著者渾身の傑作ミステリ。パリ大学で美術史の修士号…