童心失せぬ

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ベンジャミン・バトン 数奇な人生/ネタバレ感想

 「約束するわ、もう二度と自分を憐れんで泣いたりしない」

一生に一度の出逢い。生涯、心に残る感動作の誕生。それは、80歳で生まれ、年を取るごとに若返っていく数奇な運命の下に生まれた、ベンジャミン・バトンの物語。

 

徐々に若返る不思議な体で産まれ、周りと自分は全然違う。そりゃ内向的にもなるし、堂々と生きることは出来ないかもしれない。それでも、わたしは彼があまり好きになれなかった。というか、女性目線で見て恋愛にうっとりする人いるんだろうか…と思いながら見てた。

 

デイジーが自分の子を孕んで、僕じゃ良い父親になれないってうじうじしてるのはまあ仕方ない。(そんなに自信ないなら避妊をしろという言葉は頑張って飲み込む)結果出産してしばらくした後に、やっぱり自分が父親じゃ駄目だと、大金を置いて夜逃げを決行。でもその途中で目を覚ましたデイジーと目が合って、出た台詞が「僕は消える、君の思い出になる前に」…それを言われたデイジーの顔、正にこれ⇒(゚Д゚)ハァ?

わたしも!わたしもデイジーと全く同じ顔しながら見てたよ!!!自分に酔った状態で最低な行動をするな!!!!!しかもこんな酔いしれたままデイジーと娘の元を去ったのに、デイジーが素敵な人を見つけて新たに家族を築いているのにまた会いに戻ってくるし…はあ…おまえはそういうヤツだよな…って感想しか出ん…。デイジーに会いにニューヨーク行ったときも、デイジーにもう行けと言いながら何度も名残惜しそうに「素敵だったよ!」とか言葉投げかけ続けてたもんな…そういうヤツだよな…。基本的に、別れる選択が最善だって自分で答えだして勝手に去る人物を好きになった試しがない。

 

逆にデイジーはとっても格好良かった。どんどん若返るベンジャミンに対して、自分は皺が増えていき不釣り合いな事を嘆くけど、そんな事言っても仕方ないと「約束するわ、もう二度と自分を憐れんで泣いたりしない」カッコイイ…!!!

逆にベンジャミンも自分がどんどん若くなって、最後には赤ちゃんになることを嘆いたときは「誰だって最後はオムツをするようになるの」は~~かっこいい!結局本当に面倒を見たわけで、とても強い女性だ。だからこそ、ベンジャミンと生きていけると判断して、家族になろうとしたのにね…

 

離れていても子どもに毎年手紙を書いていたのは良かった。それを送れず自分でひっそり保管しているのも素敵だと思った。でもやっぱり基本的にはダメ人間だと思う。ベンジャミンの場合は特殊な環境の中だから仕方ないと思うが、普通に歳を重ねていくのに同じような人がいたら大体はダメ男なので、引っかからないように気を付けましょう。父親に自分も捨てられて悲しい思いをしたっていうのに…ダメやぞ!!!

 

ベンジャミンの人生において、優しくピアノを教えてくれたり、雷に何度も打たれた話をしたり、そういうさりげない日常を彩る人がいてよかった。