童心失せぬ

多趣味女の好きなもの詰め

誰も知らない/感想

「あたしが幸せになっちゃいけないの?」

Netflixで配信されていたので見た。元になった子ども置き去り事件のことは知らずに見たけど、これでも映画の方が内容がソフトだと知ってすごくすごく悲しい気持ちになった。しばらく引きずる悲しさだと思う。

やっぱり母親って子どもたちからしたら全てなんだろうな。私自身幼少期にそこまで母親に固執した記憶はないけど、幼いときに見た悲しい夢は大体母親と離れ離れになる夢だった記憶があるので、まあそうなんだろうな。

 

子どもたちがみんな真っ直ぐお母さんのことが好きで、お母さんだって子ども達のことをきっと好きだったはずなのに。それでもかわいい子どもを愛すより、好きな男の人に愛されることを選んでしまったんだなこの母親は。

自分たちを置いて男の家で暮らす母親を息子が責めると、「あたしが幸せになっちゃいけないの?」と。こんな事いうなんて母親失格だ…と思う。思うけど、じゃあ父親は責任ないのか。とも感じる。自分が女性なので、子どもを産むということは自分の人生が大きく変わる怖さがある。どうしても男女平等の責任は難しいのか。

この母親は父親が違う子どもを4人(実際の事件はもっと)産んでいるので、子どもが欲しいというより、好きな男性を留めるための子どもだったのかな…考えれば考えるほどいろんなことがつらいな。つらすぎるとしか言いようがない。

 

面倒見の良い長男が、結局不良とつるんでしまったのが見てられないくらい辛かった。優しい子なのに。初めて出来た友達との関係が歪だったことが悲しい。実際の事件では子どもだけの自宅が不良の溜まり場になって通報されたことで事件が発覚したとか。更にその不良の友達と妹を殺害したんだとか。やるせない、環境がしんどい。映画では、妹を優しい気持ちで埋めていて、更にどうしようもない感情になった。

 

実際の事件では、長男は二度と母親と会うことはなかったけれど、長女、次女は母親と暮らしているんだとか。幸せってなんなんだろうな、どっちを選んでも幸せになれる人生であってほしい。愛情溢れる人生であってほしい。見終わった後、自分も色々と決意した作品になった。

 

坂元裕二が好きなので今放映されている「怪物」をどうしても見に行きたいんだけど、是枝監督作品は見た後ずる~~っと精神持っていかれるのでスクリーンでノンストップで見て大丈夫かすんんごい不安。もういっそのことネタバレ見てから心の準備していきたい。